565
2023/05/30

バーチャルロックシンガーMaiRがメジャーデビューアルバム『未完星』を引っさげて挑んだ3rd ONE-MAN LIVE『ASTRO ROCK』

2023年5月27日(土)、バーチャルロックシンガーのMaiRが3rd ONE-MAN LIVE『ASTRO ROCK』をKT Zepp Yokohamaで開催した。活動5周年を迎えるタイミングで、Victor Entertainmentからメジャーデビューを発表、そしてアルバム『未完星』を4月26日にリリースし、そのまま激走するかのように3度目のワンマンライブのステージに降り立った。2022年から行っている6ヶ月連続リリースに、新たに書き下ろした楽曲を加え、メジャーデビューアルバムにふさわしい楽曲を軸に、満員のKT Zepp Yokohamaで開催されたワンマンライブのレポートを届ける。









活動初期から親交のあるVtuber朝ノ瑠璃の前説が行われ、ライブのカウントダウンが映し出されたタイミングで、青のペンライトが一斉に会場を覆い尽くす。眩い光の中から颯爽と登場したかと思いきや、優しいギターの音色から『ヒカリヘ』が始まった。「みんな手あげて！」の掛け声にそれぞれ縦横無尽に暴れ回っていた青のペンライトが一斉にシンクロする。ライブが始まったことへの高揚感が、MaiR本人のみならず同じ思いを抱いて来場したオーディエンス全体から放たれていた。そんな一体感を感じるのも束の間、間髪入れずに『Survivor』がスタート。MaiRの代名詞とも言えるキャッチーで激しいロックサウンドの楽曲達がライブの始まりを彩っていく。











2曲を歌い上げたところで、最初のMCが始まる。お馴染みの「世界のMaiR〜〜〜〜だ！」の挨拶も飛び出し、軽快にバンド紹介が行われた。程よい緊張感と高揚感を感じつつ、少し足早に再びライブがスタート。開幕のロックサウンドを継続させるように『Within The Noise』の激しいギターの音が会場に鳴り響く。新たな挑戦の1つとして生まれた全英語の歌詞で歌い上げる本楽曲は、同じロックサウンドでもさらにキャッチー度は高い。その勢いのまま「みなさん手上がりますか！タオル回せますか！」の掛け声と共に、2ndアルバム『paint the STAR』から『B!A!N!G!』が披露された。実際にはタオルではなく、青のペンライトを器用にぐるぐると回している姿が見られ、同時に会場全体のボルテージが格段と上がるのがわかるほどの熱気が感じ取れた。

「やっとこの歌を歌える季節が近づいてきた！」の掛け声で始まったのは、今度は1stアルバム『START!!』から『サマー☆フロート』を披露。言葉通り、まだ夏ではないものの、バンドセットも含め、持ち前の表現力によって、夏の季節感が会場中を包んでいく。サビの躍動感ある盛り上がりから、静かに綺麗に歌い上げる楽曲の中にある強弱を興奮気味にも丁寧に歌い上げていく。歌唱力もさることながら、表現者として一瞬の時間を大切にしながら歌い上げているのがひしひしと伝わってきた。ただがむしゃらに突き進むのではなく、表現者としてしっかりと楽曲本来の味を噛み締めながら、そしてそれをちゃんと伝えていく能力の高さに驚きと成長を感じてしまった。









ライブの小休止には、かなりユニークな映像が流された。MaiR節炸裂の内容ではあるが、常にオーディエンスを楽しませようとするチーム全体のエンターテイメント性が発揮された瞬間だったろう。そしてその流れのままと言っていいのかはわからないが、ここからはポップな選曲が続く。『ギミギミ』では、プチ振り付け講座が行われ、ライブの一体感がまた一段と高まったのがわかった。楽曲後のMCでは、これまでのライブについて語っていた。星乃めあ時代に開催された1stライブでは配信オンリー、そして2ndライブでは声出しが禁止であったと振り返り、「今日は声がやっと出せます！」と、ワンマンライブでは初となる声出しありのリアルライブに会場全体で歓喜する場面があった。5年の活動の中でコンスタントに楽曲を出し続けてきたMaiRだが、こうして声出しのリアルライブができたことは念願であり、想像以上に感慨深いだろう。実際のライブの中で、応援してくれるファンと共に喜びを分かち合えたのは、最高の瞬間だったに違いない。

MCが終わると、「未完星でみんなに初めて見せた一面じゃないかなと思う」と語っていた『sleepy*love』を披露した。緩やかな雰囲気の演奏に相反するように、MaiRが大人っぽい歌声で魅了していく。これまで激しく暴れていたペンライトの光が、緩やかな楽曲に合わせるように優しく揺れ動いていく。抑揚のある歌声に聞き惚れていると、その流れを引き継ぐように『ハルカゼ』の綺麗なピアノの前奏が始まった。さらに続けて『餞』と、ポップな楽曲からは一転、バラード曲のターンが訪れた。「未完星は、色んな一面が見れるアルバム」と語っていたように、この日は、代名詞であるロックサウンドがメインではなく、ポップな楽曲からバラードまでまさにアルバムのように色んなジャンルの楽曲が披露された。









しっとりしたバラード曲の流れのまま、次のMCではこれまでの活動を少し振り返る場面があった。ファンの人に対する思いや、ライブへの思いなどをどうにか感情を押し殺すかのように伝えていく姿が印象的だった。かなり神妙な雰囲気が漂う会場を一蹴するかのように、そして絶妙なタイミングでコールされた『スーパースター』の披露に、会場のボルテージが一気に燃え上がったのがわかった。MaiRというアーティストにとって、切っても切れない言葉であり、信念でもある「スーパースター」という言葉の力は計り知れない。続けてキャッチーなギターのメロディが鳴り響き、『エコー』が披露された。どこかライブのクライマックスの始まりを感じさせるような、そんな楽曲が並び始める勘を切り裂くように重大告知が発表。

3rd ONE-MAN LIVE『ASTRO ROCK』のBlu-rayの発売と、5周年記念ライブの発表が行われ、ファンには嬉しい発表が立て続けに行われた。そんな歓喜のタイミングで「ということで、もう終わっちゃう！」と、ライブの終盤であることがアナウンスされ、一気に現実へと引き込まれていく会場の雰囲気が印象深かった。まさにラストスパートをかけるようにpaint the STARから『ナミダアステリズム』、そして未完星のリードトラックでもある『未完成アンチテーゼ』がアンコール前最後の楽曲として再び会場の熱気を最高潮まで引き上げていく。青のスポットライトも楽曲の雰囲気に合わせて右往左往に暴れ回る。オーディエンスが掲げる青のスポットライトもそれに負けじと激しく対抗していく。ガリガリとしたシンセの音色とギターの演奏が激しくも心地良く組み合わさって、そのまま『未完成アンチテーゼ』のキャッチーなメロディが轟音をあげる。激しいロックサウンドとサビのキャッチーなメロディ、そして色んな感情を彷彿とさせるメッセージ性は、まさにこの日の最後の楽曲にふさわしいだろう。駆け抜けるようにアンコールをのぞいて全ての楽曲を歌い上げた。









新たな衣装を身に纏ったMaiRがアンコールに応える。楽曲を披露する前には、とにかく感謝の言葉を繰り返し投げかけていた。そして、Zepp Yokohamaでライブすることにした経緯や、ライブにおける決意など、涙ながらに振り返った。この日にかける思いや、ライブまでに抱えた葛藤や不安、ライブ中のスーパースターのMaiRではなく、1人のアーティストのMaiRとして吐露する場面は印象深かった。言葉を投げかけている最中にも、会場からファンの声援が飛び交う光景を見ていると、どれだけみんなから愛されているのかが十分過ぎるほど伝わった瞬間だろう。ファンとの関係性の良さが、ライブの雰囲気にそのまま現れているのが、MaiRのこれまでの活動の賜物でもあると確信した。

そして、「この場所で、私の始まりの曲を歌わせてください」と、MaiRのマスターピースである『Step up Super Star!!』を披露。この日1番の歓声が上がったのがわかるほど、叫びのような声援が会場全体を包み込んだ。MaiRが腕を大きく振り上げるのにシンクロするように、オーディエンスも高く青のペンライトを突き上げる。そこからこの日最後の楽曲である『疾奏』はまさに『未完星』かのような流れだった。名前通り疾走感のあるバンドサウンドが特徴的なのだが、どこか泥臭さや人間味のある雰囲気が、どことなくMaiRらしさがとにかくマッチしており、最後の楽曲にふさわしい選曲だと感じた。6ヶ月連続リリース、メジャーデビュー、そしてZepp Yokohamaでのライブと走り抜けてMaiR。バーチャルロックシンガーとして、そしてメジャーアーティストとして、これからも疾走していく姿がますます楽しみであり、これからももっと色んな一面が見てみたいと強く思えたライブだった。






■MaiR 3rd ONE-MAN LIVE『ASTRO ROCK』setlist

M1.ヒカリヘ
M2.Survivor
M3.Within The Noise
M4.B!A!N!G!
M5.サマー☆フロート
M6.ギミギミ
M7.sleepy*love
M8.ハルカゼ
M9.餞
M10.スーパースター
M11.エコー
M12.ナミダアステリズム
M13.未完成アンチテーゼ
EN1.Step up Super Star!!
EN2.疾奏


■『ASTRO ROCK』LIVE Blu-ray発売決定！
MaiR 3rd ONE-MAN LIVE『ASTRO ROCK』のライブ全編を完全収録。
また、付属するブックレットには当日のライブ写真や、MaiR自身がライブで演奏した一曲一曲への想いを綴ったオリジナルライナーノーツ"ASTRO NOTES”を掲載。

さらに2023年6月30日(金)23:59までに予約いただいた方限定で、
早期予約特典として本公演のライブ音源CDをプレゼント。
詳細は下記URLからチェック！
https://hoshinomea.booth.pm/items/4804093


■関連リンク
・Official Site：https://www.jvcmusic.co.jp/mair/
・YouTube：https://www.youtube.com/@HoshinoMea
・Twitter：https://twitter.com/MaiR_Hoshino
・TikTok：https://www.tiktok.com/@mair_hoshino?lang=ja-JP
・Instagram：https://www.instagram.com/mair_hoshino/


■MaiRプロフィール
“宇宙イチのキミだけのスーパースターになる！”を目標に2018年7月よりバーチャルロックシンガーとして活動を始めた。
キュートなルックスや"アホの子"な言動からは想像できない力強いロックな歌唱スタイルが特徴で、その歌声とパフォーマンスはオーディエンスのハートを自然と前へ向かせる。
2023年4月ビクターエンタテインメントよりアルバム「未完星」でメジャーデビュー。iTunesロックランキングで1位に輝いた。
自身のYouTubeチャンネルは登録者数150,000人を超え、投稿したカバー楽曲は200曲に迫る。
活動5年目を迎えた現在も衰えない勢いを見せつけ、リアルとバーチャルを歌で繋ぎ紡ぐライブアーティストとして高い注目を集めている。
なお、IQは2万個である。














ネバースリープ編集部 / NEVER SLEEP

RELATED